大阪の水越会計事務所の税金ブログ

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飲食業と消費税(その3)

前回、前々回のブログでは触れてませんでしたが、「宅配・出前」の場合は
どうなるのでしょうか?

例えば宅配ピザのように、宅配を専門で行っている場合は、
「第3種事業」となり、

それ以外の出前、例えば中華料理店や寿司屋がやっているようなものは、店内
飲食の延長線上にあるとみなし、
「第4種事業」となります。

(参照)
消費税法基本通達13-2-8の2
(旅館等における飲食物の提供)
令第57条第5項第4号ハ《第五種事業の種類》の規定により、サービス業から除くこと
とされている「飲食店業に該当するもの」とは、例えば、旅館、ホテル等の宿泊施設
を経営する事業者が、宿泊者に対して宿泊に係る役務の提供に併せて当該宿泊施設に
おいて飲食物の提供を行う場合又は宿泊者以外の者でも利用することができる当該宿
泊施設内の宴会場、レストラン、バー等において飲食物の提供を行う場合において、
請求書、領収書等により当該飲食物の提供に係る対価の額を宿泊に係る役務の提供に
係る対価の額と明確に区分して領収することとしているときの当該飲食物の提供が該
当する。
なお、食堂、レストラン、喫茶店、そば店、バー、キャバレー、酒場等(以下13-2-8
の2において「食堂等」という。)のように、飲食のための設備を設けて、主として客
の注文に応じその場所で飲食させる事業(以下13-2-8の2において「食堂等としての
事業」という。)は、日本標準産業分類の大分類の区分も飲食サービス業とされており、
同号ハの規定の適用を待つまでもなく、第四種事業に該当する。 (平10課消2-9により
追加、平20課消1-8により改正)
(注)
1 食堂等が行う飲食物(店舗において顧客に提供するものと同種の調理済みのものに限
る。)の出前は食堂等としての事業であり、第四種事業に該当するが、食堂等が自己の
製造した飲食物を持ち帰り用として販売する事業は、製造小売業として第三種事業に該当
するのであるから留意する。
2 飲食のための設備を設けずに、自己の製造した飲食物を専ら宅配の方法により販売する
事業は、製造小売業として第三種事業に該当することとなる。

飲食業と消費税(その2)

前回のブログに少し補足いたします。

簡易課税制度においては、2以上の事業を営んでいる事業者で、そのうちの1種類
又は特定の2種類の事業の課税売上高が75%以上を占める事業者については、有利
となる特例計算の適用が認められています。

例えば、店内飲食が可能なベーカリーショップで、
1.お店で焼いたパンを店頭で販売(持帰り)
2.お店で焼いたパンを店内飲食として提供
3.ジュース、バター等、他者から仕入れた商品を店頭で販売(持帰り)

これら1~3の課税売上高の比率が50%:20%:30%と仮定します。

ところで上記1~3の事業の種類は、それぞれ
1.第三種事業(みなし仕入率70%)
2.第四種事業(   〃  60%)
3.第二種事業(   〃  80%)
です。

本事例の場合、3つの事業のうち1と3の事業の売上高合計が全体の75%以上
になりますので、特例計算を適用することができます。
特例計算では、3種類以上の事業を営む事業者で特定の2種類の事業の売上高が
全体の75%以上を占める事業者については、その2種類の事業のうち低い方のみなし
仕入率をその2種類の事業以外の売上高に対しても適用することが出来ます。

そうすると、まず、1の売上高に対しては関してはみなし仕入率70%を適用し、
3については、みなし仕入率80%を適用します。
残りの2の売上高については、みなし仕入率70%(1と3の事業のうち低い方の
みなし仕入率)を適用することが出来ます。

原則的処理によると、2については60%を適用することになるため、この事例の
場合は、特例計算を適用した方が有利な結果になります。

(参考)
http://www.nta.go.jp/taxanswer/shohi/6505.htm

飲食業と消費税(その1)

飲食業界を取り巻く環境は昨今大きく変わってきていると感じます。
極端なまでの低価格化が進み、テイクアウト等のいわるる「中食」と
呼ばれるジャンルまで収益源を求めることが定石となりつつあります。

今回はこのような環境下において飲食店を営む事業者で、

1.簡易課税制度を適用(例年の年商が5千万円を下回る規模)しており、
2. 店内飲食とテイクアウト(持帰り)のサービスを提供している

場合の消費税の取り扱いについて検討してみたいと思います。

ここで簡易課税制度とは、
仕入控除税額を課税売上高に対する税額の一定割合とするというものです。
この一定割合をみなし仕入率といい、売上げを卸売業、小売業、製造業等、
サービス業等及びその他の事業の5つに区分し、それぞれの区分ごとのみなし
仕入率を適用します。

(みなし仕入率)
第一種事業(卸売業)     90%
第二種事業(小売業)     80%
第三種事業(製造業等)    70%
第四種事業(その他の事業) 60%
第五種事業(サービス業等) 50%

つまり上記の、みなし仕入率が高い方が、より大きな控除が出来るため有利
だということになります。

例えば、店内で調理されたものを店内飲食のために提供する場合は、
第四種事業(その他の事業)→60%となります。

店内で調理したものをテイクアウトしてもらう場合はどうでしょうか?
これは第三種事業(製造業等)→70%となります。

加えて、例えば、ベーカリーショップなどでジュース等冷蔵ケースに陳列されて
いる商品をレジで購入しそのまま持ち帰る場合はどうでしょうか?
これは第二種事業(小売業)→ 80%となります。

これらの事業の種別ごとに会計記帳しておくことで、それぞれの事業別のみなし
仕入率を適用することが出来ます。

では記帳において事業別に区分していない場合はどうなるのでしょうか?
この場合、一番不利なみなし仕入率(本事例の場合60%)が全体に適用されること
になります。

注意しましょう。

(参考)
http://www.nta.go.jp/taxanswer/shohi/6509.htm
http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/shohi/20/02.htm

開業前後(開業前~開業1年目)の注意点

開業1年目に気に留めておいた方がいいと思うことを数点挙げてみます。

1.青色申告承認申請書の届出
業務を開始した日から2ヶ月以内に提出しなければいけません。青色申告は経理的には
少し手間がかかりますが、黒字なら最大65万円の所得からの控除が出来ますし、赤字
でも来年以降へ繰り越して翌年の黒字と相殺することが出来ます。

2.開業費の処理
個人事業を開始する前までの間に特別に支出した費用は「開業費」として開業後に、
支出した範囲でいつでも、いくらでも費用化することが可能です。
利益が出ていれば、多目に費用化できますし、赤字のときは、来年以降に繰り越せば良い
ので利益調整にとても便利です。

例えば、開業準備のために特別に支出した、
・広告宣伝費
・接待費
・旅費
・調査費
・従業員、アルバイト給料
・水道光熱費
・賃借料
・借入金利子

等が開業費として取り扱えます。
開業計画がある方はきちんと領収書を残しておくことが得策です。

3.減価償却費
減価償却費とは設備や内装工事などの造作に支出した金額を一旦資産に計上して、
その後、耐用年数に基づき、将来にわたって費用化する会計処理です。
個人の所得税のルールでは、うっかり減価償却を忘れてしまえば、申告期限後に
気づいてもやり直したり、次の年に忘れた分も含めて減価償却費として処理でき
ないことになっています。
減価償却が必要な資産をきっちりと把握しておきましょう。

4.赤字でも申告する意味がある
上記、1.の青色申告で来年以降に赤字を繰り越す場合はもちろんなのですが、
仮に諸種の事情で白色申告で赤字の場合、結局税金が発生しないのだから申告
しても意味がないと考えられる方がいらっしゃいます。
ただ、たとえば前職が会社員だった場合、退職するまでの給与から源泉徴収として
所得税の天引きがされています。
このような場合、事業で出た赤字はたとえ白色申告であっても給与所得と通算
できますので、いくらか税金の還付を受けることが出来ます。

金・プラチナ、貴金属の売却と税金

最近金の価格が高騰し、タンスに眠っていた金のアクセサリーが高く売れたとか
ニュースで 見ることがあります。
このような場合の税金の取り扱いについて検討します。

その売買が営利目的(営利を目的とした継続的な売買)かそれ営利目的以外かに
よって分けて 説明します。

1.営利目的
譲渡所得とはならず、その実態により事業所得又は雑所得として総合課税の対象
になります。

2.営利目的以外
(1)生活用動産(ネックレスや指輪など)
①1個又は1組の購入価額が30万円以下
→課税されません。
②1個又は1組の購入価額が30万円超
→(2)の譲渡所得の計算をします。

(2)地金(金属の塊)→譲渡所得の対象となります。
①所有期間が5年超
・売却価額‐(所得価額+売却費用)=譲渡益
・譲渡益+(他の総合課税の譲渡益)‐50万円=譲渡所得
・譲渡所得×1/2=課税される譲渡所得
②所有期間が5年内
・売却価額‐(所得価額+売却費用)=譲渡益
・譲渡益+(他の総合課税の譲渡益)‐50万円=課税される譲渡所得

営利目的以外で例えば10年前に50万円で購入した金のネックレスを売却した場合、
2.(2)の計算によれば、100万円以上で売れると税金がかかるということに
なります。

また、上記の譲渡所得は総合課税ですので、他の所得と合算して課税されます。
譲渡所得 が多額の場合は、所得税は所得に応じて税率が上がっていく仕組みのため、
大きな税負担 となります。

(参考)
http://www.nta.go.jp/taxanswer/joto/3161.htm
http://www.nta.go.jp/taxanswer/joto/3105.htm

開業と消費税の還付

新規業者した個人事業主は、最初の2年間は消費税の納税義務はありません。

しかし、売上に付加した消費税(預かった消費税)よりも、経費や設備投資支出の際に付加された
消費税(支払った消費税→仮に払った消費税という方が理解しやすいかもしれません)の方が金額
が大きい場合には、あえて、1年目から消費税の納税義務者 となり、還付を受けることが出来ます。

新たに事業を開始した場合には、課税期間の末日までに「課税事業者選択届出書」を税務署に提出
することで、課税事業者となることが出来ます。

ただし、2年間は免税事業者に戻ることは出来ません。つまり、1年目は還付でメリットを享受できても、
2年目に1年目の還付金額を上回る消費税を納付することになれば、トータルでは損をしたということに
なります。

また、2年間の間に一定の固定資産で100万円以上のものを購入し、消費税の還付を受けた場合には、
3年間は課税事業者としての申告が義務付けられるとともに、この間は簡易課税制度を選択することが
出来ません。

この結果、課税売上割合が著しく変動した場合は、仕入税額控除の調整が行われ、結局は当初還付を
得たメリットの効果がなくなってしまうこともありますので注意が必要です。

青色申告のメリット

個人事業主とっては青色申告を採用することが有利です。
簡単に概要を紹介します。(原則的な方法と簡易な方法がありますが、ここではよりメリット
のある原則的な方法を紹介します。)

(要件)

  1. 決められた期限に税務署に青色申告承認申請書を提出する。
    原則………その年の3月15日まで
    新規開業…業務開始から2か月以内(その年の1月16日以後に新規に業務を開始した場合)
  2. 収入や経費の日々の取引を複式簿記のルールにそって記帳する。(貸借対照表と損益計算書を作成)
  3. 帳簿を原則として7年間保存する。

(メリット)

  1. 所得から最大65万円控除できる。
  2. 親族への給与支払
    生計を一にしている配偶者やその他の親族(15歳以上)のうち、その事業に専ら従事して
    いる人に支払った給与は、事前に提出された届出書に記載された金額の範囲内で、必要経費
    に算入することができる。
  3. 貸倒引当金の計上
    売掛金、貸付金などの貸金の貸倒れによる損失の見込額として、年末における貸金の帳簿価額
    の合計額の5.5%(金融業は3.3%)以下の金額を貸倒引当金勘定へ繰り入れたときは、その金額
    を必要経費として認められる。
  4. 純損失(赤字)の繰越しと繰戻し
    事業所得などに損失(赤字)の金額がある場合で、損益通算の規定を適用してもなお控除しき
    れない部分の金額(純損失の金額)が生じたときには、その損失額を翌年以後3年間にわたって
    繰り越して、各年分の所得金額から控除できる。
    また、前年も青色申告をしている場合は、純損失の繰越しに代えて、その損失額を生じた年の
    前年に繰り戻して、前年分の所得税の還付を受けることもできる。
  5. 少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例
    取得価額が30万円未満の減価償却資産(少額減価償却資産)を経費として計上することが出来る。
    (ただし、年間300万円に達するまで)

よくあるケースが開業時に青色申告承認申請書を提出していなかった場合です。特に開業一年目は
出費がかさみ、赤字決算というケースもよくあります。
青色申告承認申請書を出しておけば次の年に黒字でも、一年目から繰り越した損失を使って節税する
ことが出来ます。
開業時は本来業務に追われ、なかなか帳簿記帳や確定申告など事務処理まで気が回らないのが実際の
ところだと思いますが、知っているか知っていないかで大きく違いが出るところです。

確定申告と健康保険料

以前のブログで紹介したように、確定申告により、所得税、住民税、事業税が決まります。
もう一つ、健康保険料も確定申告で得られらた所得の情報等をベースに算定されます。
(便宜上、大阪市のケースを前提に解説します。)

健康保険料の計算上、考慮する要素は、世帯主の年齢、家族(被保険者数)、所得です。

保険料は、
医療分保険料+後期高齢者支援分保険料(+介護保険料)
で構成されます。またそれぞれについてさらに平等割、均等割、所得割で構成されます。

上記について、被保険者のうち40歳から64歳の方がいれば、介護保険料を負担する必要があります。
平等割は1世帯当たりの固定化された負担額です。
均等割は、被保険者数×○○○円にて算定されます。
所得割は、総所得金額×○%にて算定されます。

(年間保険料の最高限度額は介護保険料を含めて77万円の上限が設けられています。)

ただし、所得が一定基準額以下の世帯や、災害、大幅な所得の減少などがあった場合には減額や減免
の制度が設けられています。

 

【参考】
大阪市ホームページ/国民健康保険の保険料

年末直前の節税対策

年末直前での節税対策で使えそうなものを挙げてみます。

  1. 未払金の計上
    通信費や水道光熱費など、当月分が翌月以降の引き落としになる経費について、例えば1月引き落とし分を12月分として計上します。
  2. 短期前払費用の活用
    例えば、家賃の前払いが挙げられます。契約内容を見直し、1年分の前払いに契約を変更します。これに基づき、年末に1年分を前払いすることにより約2年分の家賃を1年間の経費とすることが可能です。(ただし1年目のみの節税であり、契約変更する必要があり、年によって契約内容をころころ変えるということは認められません。)
  3. 小規模企業共済の活用
    掛金は月額1,000円~70,000円であり、1年分の前払いをすることが可能です。
    12月に駆け込みで加入し、最大で84万円の所得控除をとることが可能です。
    小規模企業共済には、退職時に受け取った時に退職所得として扱われますので、支払時、受取時とも税務上有利に設計されてます。
    資金的に余裕があるうちは、掛けておくことをお勧めします。近い制度として、中小企業倒産防止共済という制度がありますが、小規模企業共済とは違った面もあります。小規模企業共済と併用することも可能です。

(参考)
中小機構ホームページ/小規模企業共済
中小機構ホームページ/中小企業倒産防止共済

賃借物件なのに固定資産税がかかる?

固定資産税というと一般的には、土地や建物などの不動産を所有している場合にかかる税金だと認識されていますが、個人事業主にとってみればそうとも言えないケースがあります。

例えば、賃借物件に内装工事(もちろん事業のための工事です)を施した場合です。
これにも固定資産税(償却資産税)がかかります。

計算式は、
課税標準額×税率=税額
です。

課税標準額とは取得金額に一定の減価率(使用年数によって年々価値が低下していくと仮定)
をかけて算定されます。
税率は1.4%です。

例えば、賃借物件に1,000万円(耐用年数18年)の内装工事を施したとしましょう。
この場合、税額は、
1,000万円×(1-0.120×1/2)×1.4%=131,600円
と算定されます。

納付時期は、例えば、大阪市の場合、
4月上旬に通知が来て、年4回(4月、7月、12月、翌年2月)に分けて納めます。(1年分まとめて納付することも可能です。)
工事をする段階であらかじめ支出予定として想定しておきましょう。

(参考)
大阪市ホームページ/償却資産関係

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